福岡県田川市の佐野畳屋三代目店主、佐野典久さんにインタビューさせていただきました。


熱い!
とにかく熱い!

畳という日本の文化を伝えること、
関わる人たちの想いを伝えること、
SDG'S

本気で取り組むアツくて、ほっこり温かい佐野さん。
ぜひ、ご覧くださいね!

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―――佐野さんの日ごろのお仕事内容を教えてください


畳屋の仕事としては、すでに入っている畳を張り替える場合と、

家と一緒に新しくつくる場合があるのですが、

うちは半々ぐらいの依頼を受けています。

新しく作る場合は、

→部屋の採寸

→採寸に合わせて畳床を作る

→框(かまち)縫いといって畳表を縫い付ける

→畳縁を縫う

→仕上げ
というような作業を行っています。

 

うちは畳床、畳表、畳縁、糸などを仕入れて、それを製品に作り上げるので、
それぞれの生産者さんとワンチームだという意識を持っています。


生産者さんたちの想いを引き継いで、伝えていくことを大切にしています。

 

 

(い草の農家さんと)

―――いつから畳屋に入られたのですか?


高校を卒業後、福岡の音楽学校へ行き、

プロを目指してバンドの活動をしていました。

 

ところが、4年目の時に詐欺にあってしまい、

バイトばかりをしなければならなくなったんです。



そして、しばらくはずーっと考えていました。
「何のためにここへ来たのだろう?」

「何のために生まれてきたんだろう?」
考えても仕方のないことを、ずーっと。

 

そんな頃に、母から電話が入りました。

そこで、母が体力的にも大変だという話を聞いて、

 

「俺もキツイけど、母も畳屋の仕事をしながら、

いろいろと大変な想いをしているんだ・・・

 

・・・これでは、誰も幸せになっていない!!」

そう気が付いて、実家に帰り畳屋の手伝いをすることにしたんです。



(田川市に戻ってからも月1で続けていたライブ活動の様子)


その後、畳の学校へ通うことになりました。

でも始めた頃は、継ぐという意識はなかったかもしれないです。



―――畳屋業に本気で取り組むようになったきっかけはありましたか?

畳学校で学んでいた時に、あることに気が付きました。

それは、『い草の産地による違い』でした。

 

 

国産と中国産とでは、見た目も縫う感覚や触った感じなども、

全然違っていることが分かりました。

 

 

やはり、国産の方が断然良かったんです。
でも、国産の良さに気が付いた時には、

国産のい草農家が衰退していることを知りました。

 

衰退しているならば、い草農家さんを応援せねば!応援したい!と思い

産地である熊本県の八代へ行きました。

 

そこで、生産者さんの苦労や想いを実感しました。
天候などにも影響を受けながらも、心を込めて作らていることを知って、
そこから本気になったと思います。



―――熊本のい草農家さんのところへ行かれて、どのようなことを感じたのですか?

 

生産者さんは、い草を2年ぐらいかけて作られています。

皆さん、い草を「娘のようだ」とおっしゃるんですよね。

でも、それがどこへ納品されて、どのように使われているかも分からない。

それって寂しいよなー、と思いました。

 

 

それからは、生産者さんが分かるように仕入れ、

お客様の声を生産者さんへ伝えるようにしています。

 

 

自分も、生産者の顔が分かると、

「あの方が長い時間をかけて生産し、織り上げてくれた表を、想いを、

ちゃんとしたモノ、コト、ココロとして、物語にしてお客様に伝えて行きたい」

と、俄然力が入ります。



 

 

―――子供の頃はどんなお子さんだったのですか?


食っちゃー寝る子でした 笑
4歳の時に、大きな交通事故に遭ったんです。

命が危なかったというぐらい。

それのせいか、親は「典久は生きているだけでいい」と

常に存在自体を認めてもらっている感じでした。

 

 

 

あとよく覚えているのが、小学校のクラスマッチ。
バスケットボール大会での成功体験!?です。

 


クラスを、強いAチームと弱いBチームに分けられました。

そして、僕はBチームだったんです。
Aチームで優勝を狙うという雰囲気の中、くやしさもあって、

Bチームで勝ってやろうと思いました。


そこで戦略を練りました。

メンバーは、オールラウンドプレーヤーではないけれど、

何かしらの得意な部分があることに目を付けました。

 

 

そして、その部分だけをを活かせる配置にして戦ったんです。

 

そしたら、なんとAチームより良い成績を残せたんです!
「オレ、こういうの楽しい!」と強烈に感じました。

 

スター選手ではなくても、人それぞれの強みを生かして勝つことで

みんなが喜びハッピーになれる!

というね。

 

 

それが今もやりたいことなんですよ。

 

 

今、い草が衰退することに対して、
よしやってやる! 
一丸となってやってやる!

 

と思うことに通じていると思います。

 

 

―――経営理念を教えてください


 

「わが社が成長するほどに地球環境が良くなって、世界に笑顔が増えていく」

という理念をかかげています。



元々自然が大好きで、自分の子供たちが大きくなった時にも

自然のありがたみが分かる世の中であって欲しいと思っています。


収益が増えるほど環境汚染につながるのでは意味がないので、
逆に、会社が成長すればするほど、

環境が良くなってみんなの幸せにつがなる
ということが、全ての行動の基にしています。


積極的に環境問題にも取り組んでいて、

「畳ってSDG'Sだぜ!」と提唱しています。

 


お子さんと山登り

 

―――畳のSDG’Sとは、どのような取り組みなのでしょうか?

 


すべてを解体して、それぞれを再利用するという活動をしています。



解体ショー


実際の作業は、リサイクル代を通常より少しだけ多くいただいて、

その費用でアルバイトを雇ってお願いしています。


アルバイトの採用にもこだわっています。
コロナでバイトが無く、生活が苦しい学生に声をかけて

学業の合間に働いてもらったり、

年金では足りない方にもお願いしています。

そうすることで、若手と年配の方の接点もできるかな、と。

 

 

 

古畳は、廃棄してしまえば単なるゴミで、燃やせばCO2を排出します。
でも、丁寧に解体すれば、ひとつひとつが宝になります。



私の目標は、ゴミにするものは0%にすることです。

 

 

畳ヘリの端材を地元の保育機関や小物をつくっている皆様に寄与しています。




また、端材をコースターやブックカバーなどに加工してもらっています。

(こちらは静岡県焼津の松葉畳店さんに協力いただいています。)



その他、まだ畳表になっていない、い草の部分などを販売しています。
い草にはアロマ効果、空気の浄化などがあるので。

 

そして、できるだけ多くの方々を巻き込み、

環境問題に取り組む方法を、日々模索しています。

 

―――今後の取り組みで考えていることがあれば教えてください

 


世界に畳という日本の宝を、心意気からすべて持っていく

ことをやりたいと思っています。



マンハッタンの中心で畳を手縫いして、

その畳に座ってもらい、



 

「日本にはこんないい物があるんだぜ」
「これが地球のオアシスになるぜ」

と世界の人に言いたいです。

 

 

 

そう言うためには、環境問題も取り組んでいるのが前提になるので、

今は畳を誇れるものにしておくために、その準備をしている感じです!

 




―――最後に、佐野さんが実行されているモーニングメソッドについて教えてください!

 


朝4時に起床

→瞑想

→アファメーション

→イメージング(将来なりたい姿をイメージ)

→読書

Twitterでつぶやく

→体幹トレーニング

 

ということをやっています。


瞑想は、別名“感謝の儀式”と呼んでいます 笑

呼吸に注目するのですが、昨日あったことを吸い込んで、ありがとうって吐き出すんです。



そうすると、全てがありがたく感じられて、

「今日も、お客様を幸せにするぞ!」という気持ちが高まり、

一日がとても心地が良く過ごせます。

 

 


仕事以外の日常でも、自分から感謝を始めることで、

感謝のループが回りだすのを実感しています。

 



“生きているだけで丸儲け”と言う言葉がありますよね!

もうすでに儲けているのであれば、これ以上儲けなくて良いな、

ならば人生は“還元祭だ”と考えました。




自分にとっての還元祭は、感謝と人を幸せにすることです!
そう考えていると、結局的に自分も幸せになっていることに気が付きます。


このルーティンはどこでもできるし、効果が絶大なので、続けていきます。
             

 

 

感想



「ボクとい草の物語」を拝見して、

それ以外のブログ記事やyoutube・・・と見始めると、

時間を忘れて見入ってしまいました。



それはなぜか??
すべてに「心」を感じるからだと思います。
とても人情味があって、自然体・・・

だけどめちゃくちゃ熱量高いっ!!




表面だけではない、芯を持っていることが伝わってきます。



ところどころに「ふふっ」と笑ってしまうものや、
胸にこみ上げる感動もある。

心が揺さぶられるスパイスが必ず入っているのです。



毎回ブログの最後は「ほっこりしようぜ」という言葉で

終わるのですが、それがまた何とも言えず・・・
ほっこりしちゃいます。



今回インタビューをさせていただいて、
自分で感じ、体得したものを元に、
自分らしく、前にぐんぐん進んでいく、

そんな佐野さんのスタイルがとても輝いて見えました。

 

 

マンハッタンの中心で畳を縫ってる姿が

ニュースに出る日が待ち遠しい~!!

 

 

 

佐野さんの夢、心から応援しています!