遺品整理、生前整理、不用品回収の「七助」(社名:株式会社エンシア)を経営されている安部公之助さんです。



埼玉県を中心に、遺品整理、生前整理、不用品回収、ゴミ屋敷整理、引っ越し、草刈、ハウスクリーニングなど、お客様の要望に応じた対応をされていらっしゃいます。



―――いつからこの仕事を始められたのですか?


自分の会社ではじめてからは3年になります。



その前は12年間ソーシャルワーカーとして病院で働いていました。
今の仕事と関係ないようですが、実はとても関係しているんです。



私がソーシャルワーカーとして働いていた頃は、病院の中だけに限らず広い範囲で活動していました。



患者さんにはそれぞれの事情があるので、退院後のサポートであらゆる専門家を紹介したり、お部屋の片づけや引っ越しのお手伝いなど、患者さんやご家族の不安や悩みや困っていることを伺いながら、一緒に解決していました。

 

 

 


―――この仕事を始めたきっかけを教えてください。

 

 

ソーシャルワーカーとして働いたいた時に、退院される患者さんのお手伝いをしながら感じていたことがあります。

 

 


それは、ホームヘルパーなどの人のサポートをできる仕事はあるけれど、環境を整えたり整理したりするサポートをする仕事がないということです。

 

 

 

 

退院される方の中には、お部屋が相当荒れてしまっていた方もいました。

もちろん、そうなるには訳があるんですよね。

身体が不自由だったり、配偶者に先立たれて精神的に不安定だったり。

 

 

 

ヘルパーを導入するうえでも、部屋の中の導線を整えたり片付けておく必要があるんですよ。
だから、部屋を片付ける人は必ず必要なのに、頼める人がいないという状況をたくさん見てきました。

 

 

 

負担の大きいご家族や親族の方々のサポートは、絶対に必要だと感じたんですよ。
そこで、自分にできることは何か考えてこの仕事を選んだのがきっかけです。
 

 

 

一業者ではありますが、病院と患者さんやそのご家族の間に入りもろもろ調整ができるのは自分しかいない、

精神保健福祉士の免許を持ちながらこの仕事をしている人はほぼいない、と思っています。

 

 

 

―――ソーシャルワーカーとして働く以前は何をされていたのですか?

 


大学を出た後は、一般企業でマーケティングの仕事を2年やりました。

 

 

しかし、自分が本当にやりたいことではないと感じて退職し、人の役に立てるソーシャルワーカーの勉強を1年間しました。

そして資格取得後に病院でソーシャルワーカーとして働いたという流れです。
 

 

 

―――現在の遺品整理や生前整理のお仕事はどこから依頼が入ることが多いですか?

 

 

人の繋がりを意識しているので紹介により仕事を受けています。

元々取引先が介護業界の人たちが多かったのですが、最近は不動産関係の人たちが増えています。

 

 

 

全てがご縁だと思っています。

 

 

 

 

―――モットーを教えてください。

 

 

たくさんの人の悩みや不安を解決して、一人でも多くの人を笑顔にすることに尽力する!

 

 

 

あとは、常に社会貢献を考えています。

ごみを減らすためにリサイクルしたり、空き家問題を減らすために空き家を放置せず、オレオレ詐欺などの犯罪の隠れ家に使われないように意識しています。

 

 

 

―――起業して幸せだったことを教えてください。

 

 

お客様が喜んだ顔をしてくれた時は、震えるほど嬉しいですね。
 

 

 

実際に仕事を依頼されるのは、ほぼご家族や介護の方からです。

死は予定できるものではないし、死を想定してい準備することはほとんどないですからね。

 

 


ソーシャルワーカーとして培ったことの一つが、人の気持ちを理解して汲み取ることです。

 

 


そのスキルを活かしてお客様の困りごとをしっかりと理解したうえで対応しているので、相談に来たお客様の曇った顔が話の後にパッと明るくなる瞬間が見られます。

そういった瞬間にも、やっていて良かったなと感じますね。

 

 

 

その他に起業して嬉しかったことは、人脈が増えたことです。

商工会議所の青年部に所属して地域活動をしているのですが、そこで出会った人たちは地元の仲間であり友人であり、とても大切に思っています。



所属して3年経ちますが、ボランティアで地域活動をしっかりと頑張ることで信頼関係が生まれています。



また、その青年部で合った先輩のお一人にとてもご縁のある方がいました。
たまたま大学も一緒で学生寮の先輩でもある方で、その方のお誘いでライオンズクラブにも所属しています。

地元の、活気がある経営者の方々とダイレクトにつながれたことで、様々な情報が得られ勉強になることばかりです。

 

 

 

自分のことばかり考えないことや相手にメリットを与えることを考えるという姿勢も、諸先輩方から学んだことです。

 

 

 

 

 

 

―――起業して苦労したことは?

 


どうやって仕事を広げて行こうかに悩みました。

起業当初は浮き沈みが大きく、調子のよいときもあれば全然のときもあって、ジェットコースターの様でした。

 

 

 

3年経って、ようやくその幅が小さくなってきたと思います。



―――起業するうえで大切なことはなんだと思われますか?

 


起業するうえでは、己を知っておくことが重要ですよね。
自分は、失敗やいろいろな経験を繰り返し、その都度立ち止まって考えて乗り越えていくうちに知ることができましたね。

 

 


また、年齢と共に強みも変わってきたと思います。

 

 


自分で言うのも変ですが、割と周りから愛されている人間だと思います。

 

 


理由は全然分かりません。

何か気にかけてくれる人がたくさんいるのがとてもありがたいです。

 

 

 

―――子供の頃はどんなお子さんでしたか?

 


3人兄弟の一番下で、上が強かったせいもあるかもしれませんが、比較的おとなしかったです。



なので、リーダーという立場よりもサポートする立場の方が好きです。

自分のために頑張るのは当たり前ですが、人のためとなると余計に燃えるタイプです。
 

 


―――成長し続ける要因はなんだと思われますか?


私は、基本的に心配性です。

 

 

種類は変わったとしても、ステージごとに不安は出てくると思います。

逆に言うと、その不安が原動力になっているところはあります。

 

 

 

そして“お客様や業者からダイレクトに喜びを受けられることや、創り上げていく楽しさが、不安の気持ちより勝るからですね。

 

 

―――今後挑戦したいことなどはありますか?

 

 

少し先になると思いますが、海外進出をしたいです。
今の事業の基盤がもっと固まったら、海外にリサイクルマーケットを作りたいと思っています。

 

 


 

感想

 

 

安部さんと初めてお会いしたのが、ある交流会の場で、私の話を興味をもって耳を傾けてくださった姿がとても印象的でした。


そして、今回安部さんをインタビューして、安部さんの会社が紹介のみで順調に成長し続けている理由が少し分かりました。



ソーシャルワーカー時代の経験があるからこそ、人が困ることや苦しい部分を理解してあげられること、

常に相手に寄り添って考える優しさを持っていること、

自分にも相手にも正直なこと、

だからこそ周りの人たちからも愛されていること。

 

 

今回のインタビューの後にも、一生懸命私のことを考えてくださっていて、目の前の人のためにできることは何かを常に考えられている姿勢がそこからも窺えました。


 

出会う人たちを幸せな気持ちにする安部さん。
これからも応援しています!!